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第575話 『バゴーン弁当』
2006-09-20 Wed 14:03
中学生の頃のお話です。

クラスにいじめられっ子がいたんですよ。彼には兄貴がいましてね、その兄貴がケンジという名前だったんですね。そこから、

「ケンジ」→「ジンケ」→「ズンケ」

というプロセスで兄貴にあだ名がつけられてたらしいんです。これが初代ズンケ。で、その初代もいじめられっ子だったらしく、弟の名前はケンジでも何でもないのに「ズンケ」の名前を襲名した次第。しかもあだ名だけでなく、いじめられっこ階級という負の遺産も相続。本名何だったっけなぁ。

そのズンケんちは結構な貧乏でしてね。家はボロいかったですし、制服とか体育着とかはみんな初代ズンケのお下がりらしく、いっつも寸足らず。いわゆるツンツルテンな様子なんですよ。で、身長は結構あるんですが、貧乏なせいなのかガリガリでしてね。折れたのか折られたのか前歯もなかったりして。んで、風呂も毎日は入っていないようで、クラスで時々異臭騒ぎを起こしたりしてたんです。まぁそんな様子ですから、自分達と違う人間に敏感な中学生達が放っておくはずがなく、いじめられっ子に認定されてしまっていました。
ズンケの血統と本人の資質とを兼ね備えた、まさにいじめられっ子界のサラブレッド。最強のいじめられっ子。

で、中学生っていうと、当時は土曜日は半ドンでして、午前中で授業終わるんです。4時間目とかで終わりなの。でも、午後から課外活動とかある日は弁当持ってくるんですね。給食ないから。そーゆー日ってあったよね。

そんなある土曜に事件は起きました。
仲のいい同士で机くっつけたりしてみんなそれぞれ弁当を食べてた時です。誰ともなく、ズンケの弁当の中身をチェックしようぜ、という話になったんです。で、近づいてみると、ズンケは一人だけ弁当食ってないんですよ。

「うは!!お前んち貧乏だから弁当ねーの!?」

「持ってきたけど腹痛いから喰わないんだ・・・。」

彼は選択を誤りました。
ここで「そうだよ。」と言っておけば、
「あいつんち、貧乏だから弁当持って来れねーんだぜ!」
と、一通り盛り上がるくらいで済んだものを・・・。

「んじゃぁ弁当見せてみろよ!!」

で、嫌がるズンケからむしりとった弁当袋。どんだけショボイ弁当が出てくるか期待に目を輝かせるいじめっ子達。しかし中から出てきたのは想像を絶する物でした。

 焼きそばバゴーン

しかも2個。知ってますよね?焼きそばバゴーンって。ワカメスープがついている、大変気の利く四角いカップ焼きそば。フタが黒いヤツ。
あ。なんか猛烈にバゴーン食べたくなってきた。

「お前の弁当、カップ焼きそばかよー!」

いじめっ子と一緒になってバゴンバゴーンとバカにしましたが、本当は羨ましかった。むしろ弁当交換して欲しかった。ホラ、中学生とか高校生の時って、ジャンクフードとかインスタント食品とか大好きな年頃でしょ。でもうちの親はそういうの食わせない方だったから、熱々のお湯さえ手に入るなら僕もカップラーメン持ってきたいくらいだった。

他の人もそんな羨ましさのためか、場内は異様なくらいヒートアップ。「お前お湯どーすんだよ!?」とかはやしたてながらバゴーンを取り上げたんです。

「!!??」

なんかとりあげたバゴーンがズッシリと重いんです。バゴーンのくせにありえない重量感。明らかに麺ではない何かが入っていると思われる、超弩級の重量感。それによくよく見てみるとカップを包んでいるはずのビニール包装がなされていないんです。

ドキドキしながらとりあげたバゴーンを開けると、中には弁当が詰まっていました。しかもかなり豪華。何しろ一方のバゴーンには、バゴーンいっぱいの白いご飯が、そしてセカンドバゴーンにはいろんなおかずがなみなみと詰め込まれていたのです。まるで高級料亭の重箱に入った仕出し弁当みたいなんです。歌で言うなら「ボロは~着てて~も~心は~錦~♪」って、そんな感じの仕上がりなんです。きっとお母さんが食べ終わったバゴーンを洗って、弁当箱に仕立て上げたんでしょう。でもこれじゃみんなの前で弁当開きなんてできるはずない。それくらいわかるだろうに。というか、嫌がらせとしか思えない。

そのあまりに意外で強烈なインパクトに、さっきまであんなにはしゃいでいたみんなが一気にシーンとなりました。裏ビデオ注文して、届いた小包をドキドキしながら開けたら中身がアニメ「機関車トーマス全10巻」だった、みたいな。目が点っていうんですか。そんなリアクション。状況理解不能、みたいな。

その後は、「凄い弁当持ってきたヤツがいる!」って話がすさまじい勢いで学年中に伝わりましてね、クラスのみんなどころか他のクラスの生徒までがバゴーン見物に来る始末。バゴーンは教壇の上に祭り上げられ、教室はさながら見世物小屋。まさにバゴーン祭り。

この日からズンケ君のセカンドネームは「バゴーン」となったのでした。そしてその後、ズンケ君は卒業するまでついに一度も弁当を持ってきませんでした。
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